夏は暑いのが当たり前。それでも読書は、別世界への旅

幸せになるために必要なのは、人から羨ましがられることではなく、自分で自分を認められることなのかもしれません。

夏は暑いのが当たり前。

エアコンのないテレレで、えかきのつまは一番涼しい場所を探しながら、本を読む。

それが夏の小さな楽しみです。

私の楽しみのひとつは、小説やいろいろな本を読むこと。

最近読んだのは、平野啓一郎さんの『ある男』と、山内マリコさんの『あのこは貴族』です。

本を読んでいる間は、自分が主人公になったような気持ちになる。

知らない人生を生きて、知らない世界へ旅をする。

お金をかけずにできる、別世界への旅行と言ってもいいかもしれません。

 

 

別人の人生を生きる

 

『ある男』を読みながら、

「こんなこともあるのか……」

と驚きました。

戸籍を変えて、別人として生きる。

そんな人生があることを知りました。

でも、私は自分ではない誰かになって生きるのは嫌だなぁと思う。

大変なことがあっても、やっぱり自分の人生を生きたい。

そんなことを考えながら読みました。

 

一度くらい、貴族になってみたい?

『あのこは貴族』の世界も、私には縁のない世界です。

「貴族」という言葉を聞くと、

一度しか生きられない人生なのだから、一瞬くらい貴族の気分を味わってみたい……

なんて夢を見る。

ところが、物語の世界に入っていくと、

「やっぱり、これは私には合わないな」

と思ってしまいました。

東京に生まれたか、地方に生まれたか。

どんな家庭に生まれたか。

どんな環境で育ったか。

それによって、人には見えない「階級」のようなものがある。

『あのこは貴族』は、そんな社会の中で生きる女性たちを描いた物語です。

でも、どんな場所に生まれても、どんなものを持っていても、

最後に自分を幸せにするのは、自分なのではないでしょうか。

 

幸せになるために必要なのは、人から羨ましがられることではなく、自分で自分を認められることなのかもしれません。

 

 

私はアルゼンチン生まれ

 

えかきのつまはアルゼンチン生まれ、アルゼンチン育ち。

日本から一番遠い国で育ちました。

だからなのか、日本で生まれ育った人とは、少し違うところがあるのかもしれません。

もちろん、育った国だけで人の考え方が決まるわけではありません。

でも、自分とは違う環境で育った人の人生を、本を通して知ることができる。

それも読書の面白さだと思います。

人それぞれの人生。

人それぞれの幸せ。

持っているものも違えば、欲しいものも違います。

だからこそ、

自分が持っているものを大切にして、自分の人生を楽しむ。

それが一番なのではないかと、えかきのつまは思いました。

私たちは、何を持っていて、何が欲しいのでしょう

『あのこは貴族』について、雨宮まみさんの文章を読みました。

そこには、東京のハイクラスな世界で生きる女性と、そうではない世界で生きる女性。

それぞれが「自分にはないもの」を相手が持っているという現実が描かれていました。

お金や家柄、学歴、結婚相手。

人から羨ましがられるものを手に入れても、それだけで心が満たされるわけではない。

どんな世界にいても、人は傷つくし、迷う。

そして、自分の心が本当に求めているものを無視していると、心の中に空しさが残ってしまう。

そんなことを、この小説は考えさせてくれました。

幸せになるために必要なのは、人から羨ましがられることではなく、自分で自分を認められることなのかもしれません。

気がつけば、古希

そして、話は私自身の人生に戻ります。

この地域にも、認知症カフェが二か所オープンしました。

地域の人たちとの交流の場であり、認知症について考える場所でもあるそうです。

「認知症予備軍の私たちのために」

そんな言葉を聞くと、

「ああ、私もそんな年齢になったのだな」

と、少し複雑な気持ちになります。

知らない間に古希を迎えた、えかきのつま。

振り返れば、時間は本当にあっという間でした。

少し寂しくなることもあります。

みんなが通る道とはいえ、

できれば寝たきりにならず、

認知症にもならず、

最後はコロッとあの世へ行きたい。

それが、今の私の小さな夢です。

でも、未来のことは誰にもわかりません。

だからこそ、

今日一日。

この瞬間。

一冊の本を読みながら過ごす時間。

夫と過ごす時間。

何気ない日常。

そんな一瞬一瞬を大切にしたいと思います。

どうすれば、しあわせになれるのでしょうか?

答えは、まだわかりません。

でも、自分の人生を自分なりに楽しみながら生きていく。

それが、えかきのつまの答えなのかもしれません。


 

投稿者

  • mary

    アルゼンチン生まれ育ちの日系二世の小川(松ノ下)マリアイネスです。

    19歳で、えかきの小川憲一豊実(おがわけんいちほうじつ)と結婚し、今年、金婚式を迎えました。

    会社勤めの方のご家庭とは違い、金銭的にはいろいろあった人生です。

    しあわせだったか、しあわせでなかったかは、あの世へ行く瞬間にしか分からない――と、母が言っていました。

    人それぞれ価値観は違いますが、私は自分ではしあわせだったと思っています。

    喧嘩を一度もしたことのないご夫婦もいらっしゃるでしょうが、私たちは毎日のように、京都育ちのえかきとは意見が合わず、その違いから議論になることも多々あります。

    そんな絵描きの妻ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

    “The Painter’s Wife”

    小川(松ノ下)マリアイネス 拝

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