えかきのつま”この写真には、あの日伝えらなかった想いがあります。”

思い出と感情の物語

あの白黒写真を見るたび、胸の

奥にしまっていた何かがそっと

動き出します。

色がないのに、なぜでしょう。

その日の温度や空気、心の揺れ

までもが、いちばん鮮やかに

蘇ってくるのです。

 

ヘリに乗った日は、胸がワクワ

クしていました。

子どもたち、従兄弟、そして

父と私。

滝の水しぶきが風に混じって漂

い、まるで世界の端に立ってい

るような気分でした。

でも、ひとつだけ想像と違った

ことがあります。

滝の轟音に飲まれると思ってい

たのに、実際はヘリの音のほう

がずっと大きかったこと。

その振動に身体が包まれた瞬間、

自然と人の力の境目を感じたよ

うな、不思議な気持ちになり

ました。

 

あの日、胸の中で言えなかった

ことがあります。

言わずに過ぎてしまった気持ち

が、今も静かに胸を押します。

だからこそ、私はこの白黒写真

をアイキャッチに選びました。

言葉にはしなかった“ひとつの気持ち”を、そっと置いておきた

かったから。

 

写真はただの記録ではありま

せん。

ときに、過ぎてしまった時を癒

したり、

届けられなかった想いを運んで

くれる、優しい窓のようなもの

だと思います。

 

ヘリコプターでイグアスの滝空中散歩
従妹たち 『あの日の風の匂いまで思い出す。まだ小さかった子どもたちの”初めての空”』 ―ヘリの音に負けないくらい、胸 がドキドキしてた頃。

 

 

えかきのつまの生まれ育った里ミシオネス州の

自慢話の一つです。

年を召す度にやはり懐かしく思えて

くる。

アルゼンチン生まれの日系二世

マリアイネスの郷にはイグアスの滝

があります、世界三大瀑布、観光ガイド

には載らない思い出

実際に育った人しか知らない”音“”霧”

そして”振動”

イグアスの滝は世界中で知られて

いても、

観光ガイドに書かれていないこと

小さな豆知識

-滝の音は会話ができないほど大

きい

―霧に濡れると肌がひんやりして

気持よい

―地元の人だけが知る”虹が出やす

い場所”

―ワニがいるエリア

など

 

 

 

場所

イグアス国立公園は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから北へ1,360km、ミシオネス州に位置し、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの政治的・地理的境界線が交わる「トリプルフロンティア」と呼ばれる地域にあります。

公園から17km、国道101号線沿いに位置するプエルト・イグアス市は、人口3万5千人以上を擁し、ミシオネス州で4番目に大きな都市です。この地域の宿泊施設のほとんど、数多くのレストラン、地元の特産品を扱う店、銀行、電話・インターネットサービス、バスターミナルなどが揃っています。
観光名所としては、スリー・ボーダーズ・ランドマークとその職人市場、ジャングル・イメージ博物館、ムボロレ博物館、ルイス・オノリオ・ロロン市立公園、ギラ・オガ鳥類リハビリテーションセンター、そしてタンクレド・ネベス橋から400mのイグアス・グランド・ホテル内にある国際カジノなどがあります。
市街地から数km、国道101号線沿いには、年間35万人以上の乗客が利用するプエルト・イグアス・バスターミナルがあります。
アルゼンチン航空、ラン・リネアス・アエレアス、オーストラル・リネアス・アエレアスが就航しており、多数のレンタカー会社、マイカーサービス、タクシー会社の営業所があります。
パラグアイでは、人口17万人のシウダー・デル・エステが同国で2番目に大きな都市です。
自由港として、主な経済活動は免税の電子機器、飲料、香水、化粧品の取引です。
フォス・ド・イグアスは、三国国境地帯にあるブラジルの都市です。人口20万人以上を擁し、充実した観光インフラが整っており、そこからイグアスの滝の違った側面を垣間見ることができます。

 

ブラジルからのパノラマビュー
悪魔の喉笛とイグアス渓谷

 

 

①全景のポストカ-ド

 

 

「イグアスの滝は”ひとつの滝”ではなく、

大小275もの滝が連なってできて

います。

この全景を見られる機会は意外と

少なく、

私自身も現地ではこんなに広く見

渡せません。

だからこそ、この写真「滝が生き

てる姿」そのもの。

番号はそれぞれの滝の名前やポイ

ントで、

地元の人でも全部覚えるのは難し

いほどです。」

 

 

②54年前の白黒写真

 

色のない時間ほど、心に残るものがあります。

 

「これは54年前、まだ私が少女

だった頃のイグアスの滝。

当時は今のように観光設備も整っ

ておらず、

ただ自然がそのまま目の前にあり

ました。

 

色がない白黒写真なのに、

水しぶきの音まで聞こえてくる

ようで、

私はこういう写真が大好きです。

 

『滝の白』と『岩の黒』だけで

こんなにも迫力が伝わるなんて、

今でも不思議に思います」

 

https://ekakinotsuma.com/

 

 

同じ滝のカラ-写真

 

サンマルティン滝

 

セントマーティン島

インフレータブルボートに乗って、滝の下を含む川を航行するエキサイティングな冒険を体験も今ではできます。

 

③ ヘリコプタ-に乗ってイグアスの滝の全体を見た

 

「地上から見るイグアスの滝は迫力

そのものですが、

ヘリコプタ-に乗った瞬間、

私は”別世界の入り口”に入ったよ

うでした。

雲の下から広がるのは、

地球が躍動しているような大地の

裂け目。

そして、写真でしか見たことがな

かった

”イグアスの全体の姿”がゆっくり現

れてきます。

 

空の上から見ると、

一つひとつの滝がリズムを持って

流れていて、

まるで臣大なオーケストラ。

地上では感じない静けさと、

大きな息遣いのようなものがあり

ました。

 

この景色を一度見てしまうと、

私は『イグアスは生きている』

そう思わずにはいられません。」

 

―父と弟と友達と一緒に見た「空のイグアス」―

 

 

 

「生まれて初めてのヘリコプタ-に

乗ったのは、

父と弟、そして友達と一緒でした。

あの時の私は,不安よりもワクワ

クが勝っていました。

 

地上が少しずつ遠ざかり、

緑の海のようなジャングルが広

がっていきます。

イグアスの滝は“ゴォ-ッ” と響く

音が印象的だと言われますが、

その日はヘリのエンジン音のほう

がずっと大きくて、

滝の音はほとんど聞こえません

でした。

 

けれど、

音が聞こえなくても迫力は消え

ません。

 

上空から見たイグアスは、

まるで大地が口を開けて息を吐い

ているようで、

白い霧がゆっくりと空へ昇ってい

きます。

”これが私の里なんだ”

そう思うと胸が熱くなりました。

あの日一緒に乗った父の背中や、

少し緊張していた弟の顔、

友達のはしゃがない、無になっていて

降りた瞬間気分が悪くなっていた。

全部が今でも、イグアスの風景と

セットで蘇ってきます。」

 

 

三世代で見た”空のイグアス”

 

『イグアスの滝をヘリコプタ-から

見た日は、

私の家族の記憶の中でも特別な1

日です。

 

父と私―

 

そして時が流れ、今度は私の子ど

もたちが

同じようにヘリの前でワクワクし

た顔をしている。

 

 

 

上空から見たイグアスは圧倒的

なのに、写真に写っている家族の表情はど

れも穏やかで、

その対比がとても愛おしいのです。

 

『父の後ろ姿を追いかけた道は、 今思えば、私の帰る場所になっ ていた。』 ―何気なく歩いた一歩一歩が、今 では宝物。

 

 

父が歩く後ろ姿を撮った写真を

見ると、

”私をこの里に連れてきてくれた

人”という思いが込み上げ、

子どもたちのはしゃぐ笑顔を見

ると、

”この景色を、ちゃんと受け継がせ

られた”と感じます。

 

イグアスはただの観光地ではあ

りません。

私の家族の時間が流れる場所で

あり、

世代を超えて大切なものをつない

でくれる場所です。」

 

歴史

イグアス国立公園は、イグアスの滝、それを囲む緑豊かな亜熱帯雨林、そしてそこに生息する特有の野生生物からなる、他に類を見ない自然地域を保護することを目的として、1934年に国によって設立されました。

現在、総面積は67,000ヘクタールに及びます。

 

 

 

生態系

イグアス川はブラジルのセーラ・ド・マール高原、標高1,300メートルの地点に源を発し、1,300キロメートル以上を流れ、滝の23キロメートル下流でパラナ川に流れ込みます。
川の最後の115キロメートルはブラジルとアルゼンチンの国境となっています。
イグアス川の水はパラナ川の水とすぐに混ざらないため、数キロメートルにわたって両者の色の顕著な違いが見られます。パラナ川は赤みがかった濃い色で、イグアス川は緑がかった透明色です。
イグアス国立公園は、豊かな生態系の存続を守り、未来の世代のために守るべき場所です。
イグアスの滝周辺は、ブラジルでは汎アルゼンチン森林、アルゼンチンではミシオネス熱帯雨林として知られる亜熱帯雨林で、多種多様な生物が生息しています。
2,000 種を超える植物種、400 種を超える鳥類、そして数え切れないほどの昆虫が確認されており、その自然の豊かさがうかがえます。

 

 

『イグアスは、私たち家族の時間が

重なりあう場所。

空から見た滝の迫力よりも、

思い出の静けさのほうが、心に強

く残っている。』

 

『里の音が聞こえる絵。

遠く離れていても、滝の白い息が胸に戻ってくる。』

 

―描き手の心に、故郷の水しぶき はいつまでも消えない。 和紙に水彩画 サンマルティン滝 小川憲一豊実描く

 

 

 

イグアスの滝
板に油彩
小川憲一豊実描く
悪魔ののどぼとけ

 

カラ-写真もいいけれどえかきのつまは昔から白黒写真が大好きです。

白黒の写真って、不思議なくらい

感情を直接揺さぶります。

 

色がない分、

”余計な情報が消えて、大切なもの

だけが浮き上がる”

からなんです。

 

だからこそ、

言葉にできない思い出や、

胸の奥にしまっている気持ちが

写真の中で静かに呼び起こされる

のだと思います。

 

だれもが言えないと感じる内容

でも、その「重さ」や「深さ」は写真が

しっかり抱きしめてくれます。

それで十分です。無理に言葉にす

るひつようも全くありません。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%BB%9D

 

小川(松ノ下)マリアイネス拝

 

 

投稿者

  • mary

    アルゼンチン生まれ育ちの日系二世の小川(松ノ下)マリアイネスです。
    19歳でえかきの小川憲一豊実(おがわけんいちほうじつ)と結婚して来年には金婚式を迎えます。お勤めの方たちの妻とは違いまして金銭的には色々あった人生です。しあわせだったか、しあわせでなかったかはあの世へ行く瞬間にしか分からないと母親がいってました。
    価値観は個々違いますが、自分ではしあわせだと思っております。
    喧嘩を一回もしたことのないご夫婦も存在しますが、私たちは毎日のように京都育ちのえかきとは意見は合わずその違いで議論になることは多々あります。
    このような絵描きの妻ですが、どうぞよろしくお願いします

    小川(松ノ下)マリアイネス拝