描き方は教えない。個性を守る絵描き、おがわけんいちほうじつの流儀


夫が”好きなものを描いている姿
「教えることは、個性をつぶすこと
になる」
夫がよく口にする言葉です。
そのせいで、 同級生や周りの絵
描き仲間と議論になることもし
ばしば。
でも夫は、誰かに合わせた絵で
はなく
“その人自身の魂がにじみ出る絵”
⸻ ■個性は、触れれば消えてしまう
夫の考えの根っこには、
人の個性は、とても繊細で、少し
のアドバイスでも変わってしまう
という想いがあります。
たとえば「ここをもっと濃くした
ら?」
描く人は「濃くしなきゃいけない
んだ」と思い、
本来の感覚が消えてしまう。
夫は、それが苦しくて大嫌いだと
言います。
だからこそ、子どもでも大人でも、
誰が相手でも
描く人の手を止めず、
ただ静かに“その人らしさ”が出て
くるのを見守るのです。
⸻ ■私はその姿勢をずっと近くで見てきました
描き方を指示しない。
技法を押しつけない。
“上手く見せるコツ”を教えない。

それは一見、冷たく見えるかもし
れません。
でも私は知っています。
夫が、本当は誰より
目の前の人の個性を大切に思って
いる ことを。
「いいよ、そのままで。」
「もっと自由に描けばいい。」
夫がそう言うとき、
私はいつも、絵描きとしての彼の
優しさを感じます。
https://ekakinotsuma.com/kenichi-ogawa-who-draws-on-anything-and-everything/
⸻ ■誤解もされるけれど、この信念は変わりません
正直に言えば、誤解されること
もあります。
「教えてくれないなんて不親切
だ」と
言われたこともありました。
でも夫は揺らぎません。
“技法はあとから覚えられる。
でも一度失われた個性は、二度と
戻らない。”
それが夫の持つ、絵描きとしての
強く優しい哲学です。
⸻ ■まとめ:夫のやり方は、個性を守るための“愛”です
夫のスタイルは、普通の絵描きと
は違うかもしれません。
でも私は思います。
教えないことは、冷たさではなく
その人だけの色を守るための愛 なのだと。
夫・小川憲一の絵が
どこか“その人の人生に寄り添う”ように見えるのは、
この信念のおかげだと感じてい
ます。
小川(松ノ下)マリアイネス拝







