「下駄の音|夏の町に響くカタコト」

 

・「下駄の音の話を、もうひとつ。」

・「あのカタコトの続きです。」

https://ekakinotsuma.com/a-line-of-people-wearing-wooden-clogs/

 

 

 

何を探しているのでしょうか

 

 

下駄の音が、カタコト、カタコ

トと響く。

 

どこからか下駄の音が聞こえる。

 

夏の町なら風情があって良いのだけれど、

問題はそれが美術館の入り口だったりすることである。

 

えかきは下駄が大好きだ。

 

夏になると、ほとんど下駄か畳の草履。

私も嫌いではない。

 

むしろ夏の下駄は気持ちが良いと思う。

でも――

 

美術館には履いて行かない。

入り口で止められるのである。

 

「すみません、その履物は……」

するとえかきは

「え?下駄ですけど?」

当たり前である。

 

何回か注意されても、

えかきはあまりこりない。

 

百貨店では誰も何も言わないが、

なんとなく周りの人が振り返る。

 

カタコト、カタコト。

私は少し離れて歩く。

 

ある日つい言ってしまった。

「それ、目立ちたいだけでしょう。」

するとえかきは怒る。

 

「違う。履きやすいんや。」

 

そう言いながら

今日もカタコト、カタコト歩いている。

 

雨の日も履く。

 

「濡れるでしょう?」と聞くと、

「下駄は濡れへん。」

 

そう言って、

またカタコト、カタコト。

 

歳をとると危ないのではないかと、

私は少し心配している。

 

けれどきっとこの人は、

最後まで下駄を履いて歩くのだろう。

 

そして私はその後ろで思うのである。

 

この音を聞いている限り、

えかきは元気なのだ。

 

母親が一番好き

 

「もうひとつの場所で描いている話

もあります。」

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Artist’s wife’s life 🎨

Living on a small island in Japan

Gallery café 絵とお茶テレレ

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投稿者

  • mary

    アルゼンチン生まれ育ちの日系二世の小川(松ノ下)マリアイネスです。
    19歳でえかきの小川憲一豊実(おがわけんいちほうじつ)と結婚して来年には金婚式を迎えます。お勤めの方たちの妻とは違いまして金銭的には色々あった人生です。しあわせだったか、しあわせでなかったかはあの世へ行く瞬間にしか分からないと母親がいってました。
    価値観は個々違いますが、自分ではしあわせだと思っております。
    喧嘩を一回もしたことのないご夫婦も存在しますが、私たちは毎日のように京都育ちのえかきとは意見は合わずその違いで議論になることは多々あります。
    このような絵描きの妻ですが、どうぞよろしくお願いします

    “The Painter’s Wife”

    小川(松ノ下)マリアイネス拝

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