「孫嘉琳を描く時間画廊喫茶の二階、絵とお茶テレレのアトリエにて」

静かな午後。
アトリエには筆の音だけが響いてました。
100年の戸板をキャンパスに、
孫の笑顔が少しずつ生まれています。
時が過ぎるのはあっと言う間に、
この前生まれたと思っていたけれど今はもう中学生。
近くに住んでいる娘家族との思い出は数えきれません。
娘の陣痛が始まって車でえかきのつまが
助産院へ送りました。
孫が生まれた後にへその緒を食べたと
話せば仰天する人たちが多い。
好奇心の強いえかきのつまはなんのそのです。
助産師が言ってました、ワサビがあればもっと美味しかったと。
夫の描く手元を見ていると、まるで時がゆっくり流れていくようです。
そのため、絵筆の音が語るものに自然と耳を傾けてしまいます。
絵筆の音が語るもの
「絵を描く日々の中で、家族の笑
顔や思い出が、
何よりも私たちの原動力になっ
ています。
筆の音が響くこのアトリエから、
今日も少しずつ、幸せの色が広
がっていきます。
モデルは孫。写真を見つめながら、
やさしく色を重ねていきます。
そのたびに、筆先には言葉にできない想
いが宿っていくようです。
またアートの世界では、描くという行為自体が
心を癒すといわれています。
実際、ア-トセラピーの分野でも、
筆を動かすことで心が落ち着くという研究があります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%94%E3%83%BC
二階のアトリエから
画廊喫茶「絵とお茶テレレ」の二階が、夫のアトリエです。
朝日が差し込む二階のアトリエで、夫は筆を振ります。
窓の外では庭の花が風に揺られ、
そして下からはコ-ヒ-の香りが漂ってきます。
上では静かな絵が生まれていきます。
この穏やかな空気の流れが、
私たちの日々のリズムをつくっています。
さらに、作品を並べると、ここはまるで小さ
な美術館のよう。
訪れる人がゆっくり絵を眺め、
会話を楽しむ姿を見ると、心が温かくなります。
家族を描くということ
家族の絵を描くとき、
夫の表情はいつもやわらかくなります。
描く相手が近しいほど、
筆の中に優しさが見える気がします。
それは、愛情が色としてキャンパスに現れる瞬間です。
筆の音に包まれて
描く姿を見ていると、絵とは人生その
もののようにも思えてきます。
どんな絵も、どんな人も、
やさしさの色に包まれますように。
そして今日も、アトリエの筆が静かに動いてます。
変らぬ日常こそが、
私たちのいちばんのしあわせ。
筆の音が止まらない限り、
この家も、心もきっと大丈夫です。
小川(松ノ下)マリアイネス拝


