若く見える理由——海苔一筋で生きた人を見て思ったこと

ある日、ひとりの職人さんの話を聞きました。
海苔づくり一筋で生きてきた人です。
長い年月、同じ仕事を続けてきたその姿は、
とても静かで、でも力強く感じられました。
「最後の挑戦」
そんな言葉が似合うような、
まっすぐな生き方でした。
ふと気づいたのは、
その方がとても若く見えたことです。
年齢を聞けば驚くほどなのに、
顔つきも、目の奥も、どこか軽やかでした。
どうしてだろう、と考えました。
きっと、
無理に若く見せているのではなく、
「生き方」がそのまま顔に出ているのだと思います。
ひとつのことを続けること。
簡単なようで、
本当はとても難しいことです。
途中でやめたくなる日もあるし、
迷うことも、投げ出したくなることもある。
それでも続けてきた時間は、
その人の中に、しっかりと残っていく。
そしてそれが、
表情や雰囲気になって現れるのかもしれません。
私は、えかきのことを思い出しました。
毎日、絵を描いています。
売れる日もあれば、そうでない日もある。
それでも描き続けています。
それが当たり前のようでいて、
実はとてもすごいことなのだと、
あらためて思いました。
若さというのは、
年齢ではなく、
どう生きているか、なのかもしれません。
あの職人さんの姿を見て、
そんなことを静かに感じた一日でした。


