アルゼンチンの高校卒業式——日本とはまるで違う、人生の節目のかたち

アルゼンチンの高校卒業は、

日本とはまったく違うものでした。

 

式が終わればそれで終わり、ではなく、

そのあとに続く時間の方が、むしろ本番のように感じられます。

 

夜になり、ドレスやスーツに身を包み、

家族や友人たちと一緒に集まる。

 

会場はにぎやかで、音楽が流れ、

笑い声とともに、特別な夜が始まります。

 

それは「お祝い」というよりも、

人生のひとつの区切りを、みんなでしっかりと味わう時間でした。

 

日本の卒業式は、どこか静かで、整っていて、

少しだけ名残惜しさを胸にしまうような印象があります。

 

けれどアルゼンチンでは、

その気持ちを外に出して、分かち合う。

 

喜びも、別れの寂しさも、

すべてをその場で表現するのです。

 

若い頃の私は、その違いに驚きながらも、

どこかでその温かさを強く感じていました。

 

人は、人生の節目をどのように迎えるのか。

 

それは国によってこんなにも違うのだと、

初めて実感した出来事のひとつです。

 

遠い国で過ごしたその時間は、

今でも心の中に静かに残っています。

 

そして、日本での暮らしの中で、

ふとした時に思い出すのです。

 

あの夜のにぎやかさと、

人と人が近くにいるあたたかさを。

 

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投稿者

  • mary

    アルゼンチン生まれ育ちの日系二世の小川(松ノ下)マリアイネスです。

    19歳で、えかきの小川憲一豊実(おがわけんいちほうじつ)と結婚し、今年、金婚式を迎えました。

    会社勤めの方のご家庭とは違い、金銭的にはいろいろあった人生です。

    しあわせだったか、しあわせでなかったかは、あの世へ行く瞬間にしか分からない――と、母が言っていました。

    人それぞれ価値観は違いますが、私は自分ではしあわせだったと思っています。

    喧嘩を一度もしたことのないご夫婦もいらっしゃるでしょうが、私たちは毎日のように、京都育ちのえかきとは意見が合わず、その違いから議論になることも多々あります。

    そんな絵描きの妻ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

    “The Painter’s Wife”

    小川(松ノ下)マリアイネス 拝

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