若い夫婦の前撮りを見て思い出す――遠い日の自分たちの結婚式

最近、若い夫婦の前撮りを見かけました。
少し照れたような笑顔と、これから始まる時間への期待が、
いいなあ、と思いながら見ているうちに、
ふと、自分たちの結婚式のことを思い出しました。
あれはもう、ずいぶん遠い日のことです。
特別に華やかな式だったわけではありません。
けれど、あのとき確かに、ふたりで「これから」を選んだ、
若いふたりの写真は、どこを見てもきれいで、整っていて、
まるで未来そのもののように輝いています。
それに比べると、私たちの時間は、
少しずつ色を重ねてきたようなものかもしれません。
楽しいことばかりではなく、
うまくいかない日も、言葉が足りなかった日もありました。
それでも、気がつけばこうして、
同じ場所で同じ時間を過ごしています。
若い頃には見えなかったものが、
今は少しだけ見えるようになりました。
たとえば、
何も言わなくても分かることや、
言葉にしなくてもそばにいるということの意味。
前撮りの写真の中のふたりは、
その時間の中で、
きっと、写真には写らないものが増えていくのだと思います。
私たちもまた、
そんな時間の中を歩いてきました。
遠い日の結婚式は、もう戻ることはありません。
けれど、あのとき始まった時間は、今もちゃんと続いています。
若いふたりを見ながら、
そんなことを静かに思いました。


