若い夫婦の前撮りを見て思い出す――遠い日の自分たちの結婚式

 

最近、若い夫婦の前撮りを見かけました。

 

少し照れたような笑顔と、これから始まる時間への期待が、写真の中にそのまま写っていました。

 

いいなあ、と思いながら見ているうちに、

 

ふと、自分たちの結婚式のことを思い出しました。

 

あれはもう、ずいぶん遠い日のことです。

 

特別に華やかな式だったわけではありません。

 

けれど、あのとき確かに、ふたりで「これから」を選んだ、そんな時間でした。

 

若いふたりの写真は、どこを見てもきれいで、整っていて、

まるで未来そのもののように輝いています。

 

それに比べると、私たちの時間は、

少しずつ色を重ねてきたようなものかもしれません。

 

楽しいことばかりではなく、

うまくいかない日も、言葉が足りなかった日もありました。

 

それでも、気がつけばこうして、

同じ場所で同じ時間を過ごしています。

若い頃には見えなかったものが、

今は少しだけ見えるようになりました。

 

たとえば、

何も言わなくても分かることや、

 

言葉にしなくてもそばにいるということの意味。

 

前撮りの写真の中のふたりは、これからたくさんの時間を重ねていくのでしょう。

 

その時間の中で、

きっと、写真には写らないものが増えていくのだと思います。

 

私たちもまた、

そんな時間の中を歩いてきました。

 

遠い日の結婚式は、もう戻ることはありません。

 

けれど、あのとき始まった時間は、今もちゃんと続いています。

 

若いふたりを見ながら、

そんなことを静かに思いました。

 

 

 

 

 

投稿者

  • mary

    アルゼンチン生まれ育ちの日系二世の小川(松ノ下)マリアイネスです。

    19歳で、えかきの小川憲一豊実(おがわけんいちほうじつ)と結婚し、今年、金婚式を迎えました。

    会社勤めの方のご家庭とは違い、金銭的にはいろいろあった人生です。

    しあわせだったか、しあわせでなかったかは、あの世へ行く瞬間にしか分からない――と、母が言っていました。

    人それぞれ価値観は違いますが、私は自分ではしあわせだったと思っています。

    喧嘩を一度もしたことのないご夫婦もいらっしゃるでしょうが、私たちは毎日のように、京都育ちのえかきとは意見が合わず、その違いから議論になることも多々あります。

    そんな絵描きの妻ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

    “The Painter’s Wife”

    小川(松ノ下)マリアイネス 拝

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