48年一緒にいるのに、まだわからない——えかきの絵と、夫婦のあいだの余白

結婚して48年になります。
こんなに長く一緒にいるのに、
いまだにわからないことがあります。
それは、えかきの描く絵のことです。
「これはどういう意味?」
そう聞くと、少し不機嫌そうにこう言います。
「余白や」
正直に言うと、
その「余白」が、よくわかりません。
何も描いていないところのことなのか、
それとも、もっと別の意味があるのか。
わからないから聞いているのに、
えかきは少し怒ったように言います。
「俺の絵は余白だらけや」
背景を塗っていても、いなくても、
余白は余白なんだ、と。
その言葉を聞きながら、
私はますますわからなくなります。
けれど最近、少しだけ思うのです。
もしかすると、
この「わからなさ」そのものが、
大事なのかもしれないと。
全部わかってしまったら、
きっと面白くない。
全部説明できてしまったら、
それはもう、絵ではなくなるのかもしれません。
長く一緒にいる夫婦でも、
全部わかることはない。
むしろ、
わからない部分があるからこそ、
こうして話が続くのかもしれません。
えかきの絵の余白と、
私たちのあいだにある余白。
それはきっと、
似ているものなのだと思います。

- 結婚まとめ記事(今回SNSで使う記事)
夫婦の話をもう少し読む
- 「しあわせといきかたの10の話」


