大農業をしたくて、父はアルゼンチンへ

大農業をしたくてアルゼンチンへ移住した父と、久しぶりの畑

大農業をしたくて、父はアルゼンチンへ

父は大きな農業をしたくて、
1955年に鹿児島からアルゼンチンへ移住しました。

その翌年に生まれた私は、
アルゼンチンのジャングルの中で育ちました。

そんな私も今では、
近所の方から小さな土地をお借りして、
畑を楽しんでいます。

何年か前までは、運動も兼ねて土を耕し、
いろいろなものを植えていました。

畑仕事をすると、気持ちがいい。

そう思っていたのですが……。

 

 

畑にも、それぞれのやり方がある

 

えかきも一緒に畑をしていました。

ところが、二人でやると、
それぞれにやり方があります。

「こうしたほうがいい」
「いや、私はこうしたい」

気がつけば、畑仕事が
お互いの不満を言い合う時間になっていました。

私はストレス解消のつもりで畑へ行っていたのに、
いろいろ言われると、だんだんやる気がなくなってしまいました。

そして、2年、3年と経つうちに、
ときどき何かを植えるだけ。

あとは、ほったらかしです。

当然、えかきの不満はますます募ります。

そこで、えかきのつまは決めました。

「もう、畑のことはしない!」

 

 

ところが、久しぶりに畑へ

 

ある日、アメリカ人のSTEVEさんに
畑を見せるため、えかきに誘われました。

暑い日に、三人で畑へ。

ある程度は想像していました。

でも……ショック!

草が、すごいことになっていました。

サトウキビもドンドン空へ向かって伸びている。

雨があまり降らない暑い夏なのに、
草は元気いっぱい。

ぼうぼうに茂って、
足の踏み場もないほどです。

「やっぱり、こうなるよね……」

と思いながらも、私は何もしませんでした。

 

ところが、畑へ行かなくても、
えかきの不満はなくなりません。

今度は、

「おまえのお腹の脂肪を、どうにかしろ」

と言うのです。

運動不足だから、と。

うるさいなぁ……と思いながらも、
たしかに体を動かすことは大切です。

 

 

一人で畑へ行ってみた

 

今日は曇り空。

雨も降っていません。

「今なら、蚊も少ないかもしれない」

そう思って、思い切って一人で畑へ行きました。

えかきとは一緒に行かず、
時間帯も少しずらして。

そして、入り口から草取りを始めました。

すると、不思議なことに、
涼しい気候も手伝ってか、気持ちがいい。

草を一本ずつ抜いていると、
少しずつ地面が見えてきます。

 

そして、草の下から出てきたのは……

ニラ!

くねくねと、元気に育っていました。

全部ではありませんが、
少し草を取って、ニラを収穫しました。

さて、何を作ろう?

Tortilla(トルティージャ)にしよう。

ニラをきれいにしながら、
ふと、昔の二人のことを思い出しました。

 

 

ニラを見ると思い出す二人

 

一人は、すぐ下の弟。

ニラが好きだったなぁ。

そして、もう一人は陶芸家の北村悟さん。

 

えかきと同じ猪年で、
血液型はB型。私と同じです。

やはり、ちょっと変わっていたと言えるのでしょうか?(笑)

笠岡に住んでいた頃、家へ遊びに行くと、
縁側で作務衣を着て、黙々とニラの下処理をしていました。

京都の友人たちは、彼のことを
「乞食」と呼んでいました。

えかきの同級生で親友だった人は、
「鯨」と呼ばれていました。

若い頃、「乞食」と「鯨」は
なんと南極海へ鯨を捕りに行ったそうです。

そこで知り合った二人。

その頃の話を始めると、
いつまでも話が尽きません。

まだ元気にしている「鯨」に、

「小説を書いてください」

と、私はいつも冗談半分に言っています。

誰にでもできる体験ではありません。

私が話を聞くだけでは、
もったいない。

本当に、もったいないと思うのです。

 

 

やっぱり体を動かすと気持ちがいい

 

……話がそれてしまいました。

でも、久しぶりに畑へ行ってみて思いました。

やっぱり、体を動かすと気持ちがいい。

畑を全部きれいにしようなんて思いません。

少しずつでいい。

三日坊主にならないように、
細く長く続けられたらいいなと思います。

もちろん、
お腹の脂肪のためにも。

そして、もう一つ。

口げんかにならないように、
これからも、えかきが畑へ行かない時間を選んで行こうかしら?

一暴十寒(いちばくじっかん)。

少しだけ努力して、
そのあと長く怠けてしまうこと。

さて、えかきのつまは、
今度こそ「一暴十寒」にならずに
畑を続けられるでしょうか。

まずは今日、
収穫したニラでTortillaを作ります。😊

 

 

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投稿者

  • mary

    アルゼンチン生まれ育ちの日系二世の小川(松ノ下)マリアイネスです。

    19歳で、えかきの小川憲一豊実(おがわけんいちほうじつ)と結婚し、今年、金婚式を迎えました。

    会社勤めの方のご家庭とは違い、金銭的にはいろいろあった人生です。

    しあわせだったか、しあわせでなかったかは、あの世へ行く瞬間にしか分からない――と、母が言っていました。

    人それぞれ価値観は違いますが、私は自分ではしあわせだったと思っています。

    喧嘩を一度もしたことのないご夫婦もいらっしゃるでしょうが、私たちは毎日のように、京都育ちのえかきとは意見が合わず、その違いから議論になることも多々あります。

    そんな絵描きの妻ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

    “The Painter’s Wife”

    小川(松ノ下)マリアイネス 拝

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