学校を休ませて旅に出たえかき夫婦。計画のない旅が教えてくれたこと

計画どおりに進む人生も面白い。
でも、計画どおりに進まない人生は、もっと面白い。
良い出来事も悪い出来事も、すべてが自分を育てる肥やしになる。
そんな考え方をする絵描きは、ある朝ふと思うのです。
「今日は旅に出よう。」
そう思った日は、子どもたちも学校を休ませて出発です。
担任の先生に電話をして、
「今日は休ませます。家族で旅行に行きます。」
と伝える。
今なら驚かれるかもしれませんが、
長男が幼稚園の頃のことです。
旅行の日程を何日か前に伝えていたところ、
保母さんはとても困ったようで、
「せめて発表だけでも見に来てください。」
と言ってくださいました。
親としてもありがたい思い出です。
電車に乗るのが大好きな絵描き。
京都の二条駅から日本海方面へ向かいました。
添乗員をしていた友人も一緒です。
山陰本線を走る列車の窓から景色を眺めながら、
「ここで降りてみようか。」
そう思い立ったのが香住駅でした。
計画のない旅だからこそできる寄り道です。
駅の近くをぶらぶら歩いていると、
その場で買って食べてみると、これが驚くほどおいしい。
さらに歩いていると、小さな水産会社を見つけました。
そこで購入したのが香住ガニ。
関西では香住漁港だけで水揚げされるベニズワイガニです。
身がぎっしり詰まり、甘みが強くてみずみずしい。
無人駅で家族みんな夢中になってカニを頬張りました。
今思えば、小さな娘は少々放ったらかしだったかもしれません。
それほどおいしかったのです。
ところが、その経験のせいなのか、
「カニを食べるのは面倒くさい。」
と言います。
私は今でも大好きなのですが。
私たちは子どもたちをずいぶん振り回した親だったと思います。
日本語学校に通ったり、スペイン語学校に通ったり。
日本とアルゼンチン、あちらこちらへ。
ある時、子どもからぽつりと、
「苦労した。」
と言われたこともありました。
それでも母親としては思うのです。
成功した経験も失敗した経験も、
経験しなかったことは残りません。
でも経験したことは、いつまでも人生のどこかに残ります。
計画どおりの人生もいい。
けれど、ときには計画のない旅も悪くありません。
そこで出会う景色や人や出来事が、
ため息はネガティブでも、深呼吸はポジティブ。
今日もひとつ、深呼吸してみようと思います。













