ギブスではなくキブツとは? 49年前に聞いた言葉のその後

「文化の違いの面白さ」

 

 

先日、友人からLINEが届きました。

イスラエルで友人の結婚式に出席し、その後、移住先のタイへ戻る途中だという連絡でした。

送られてきた写真には、新郎新婦がユダヤ教の伝統儀式でグラスを踏み割ろうとしている場面が写っていました。

その写真を見ながら、私はふと遠い昔のことを思い出しました。

今から約49年前、ある日本人青年と里で出会った時のことです。

「これからイスラエルのキブツへ行くんです」

そう聞いたものの、その頃の私はキブツが何なのかよく分かっていませんでした。

ただ、どこか不思議で興味を引かれる言葉として心に残っていたのです。

その後長い年月が流れましたが、最近になって22年間キブツで暮らした経験を持つ友人から、キブツの詳しい話を聞く機会がありました。

その暮らしぶりは私にとって驚きの連続でした。

世界には、自分の常識だけでは想像もできない生き方があるのだと改めて感じます。

 

 

 


キブツとは?

 

キブツ(Kibbutz)とは、ヘブライ語で「集団」を意味します。

イスラエル建国の歴史の中で生まれた独特の共同体であり、平等・相互扶助・共同生活を基本理念としています。

1909年、ガリラヤ湖の近くに誕生した「デガニア」が最初のキブツとされています。

長い迫害の歴史を経験してきたユダヤ人たちは、助け合いながら生きる共同体を築き、自給自足を目指して農業や産業を発展させました。

 

 

 


キブツの暮らし

キブツの中には、食料品店や学校、保育園、老人ホーム、郵便局、プール、ジムなどがあり、日常生活のほとんどが共同体の中で完結します。

洗濯場では住民の洗濯物をまとめて洗い、それぞれのロッカーへ届けられます。

食堂ではバイキング形式で食事をとり、住民同士が自然に交流します。

移動手段は徒歩や自転車が中心。

豊かな自然の中で暮らすキブツも少なくありません。

 

 

 


平等を大切にする社会

 

キブツでは医師でも教師でも農業従事者でも、大きな収入格差はありません。

家族構成に応じて生活費が支給されるため、極端な貧富の差が生まれにくい仕組みになっています。

現代社会では珍しい考え方かもしれません。

 

 


キブツのメリットとデメリット

 

もちろん理想的な面ばかりではありません。

みんなが顔見知りだからこそ噂が広まりやすく、お金持ちになることも難しいそうです。

また、自分だけの家や車を自由に持つことが難しい場合もあります。

しかし、子どもたちを地域全体で見守り、安全な環境で育てられることや、仕事や生活への不安が少ないことは大きな魅力でしょう。

 

 


自分の物差しだけでは見えない世界

 

人生にはどんな社会にもメリットとデメリットがあります。

日本には日本の良さがあり、キブツにはキブツの良さがある。

大切なのは、自分の価値観だけで判断しないことなのかもしれません。

49年前に聞いた「キブツ」という言葉。

友人から届いた一枚の結婚式の写真が、その遠い記憶を鮮やかによみがえらせてくれました。

世界には本当にさまざまな生き方がある。

だから人生は面白いのだと思います。

 

 

 

 

内部リンク

世の中を知らなくてもいい。のんびり生きるという選択

価値観や生き方の違いという共通テーマで自然につながります。


人は散り散りになって去っていく

 


計画なしで旅に出た絵描き一家

 

投稿者

  • mary

    アルゼンチン生まれ育ちの日系二世の小川(松ノ下)マリアイネスです。
    19歳でえかきの小川憲一豊実(おがわけんいちほうじつ)と結婚して来年には金婚式を迎えます。お勤めの方たちの妻とは違いまして金銭的には色々あった人生です。しあわせだったか、しあわせでなかったかはあの世へ行く瞬間にしか分からないと母親がいってました。
    価値観は個々違いますが、自分ではしあわせだと思っております。
    喧嘩を一回もしたことのないご夫婦も存在しますが、私たちは毎日のように京都育ちのえかきとは意見は合わずその違いで議論になることは多々あります。
    このような絵描きの妻ですが、どうぞよろしくお願いします

    “The Painter’s Wife”

    小川(松ノ下)マリアイネス拝

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